光の中で

自由帳

海面を漂うヨットのデッキに、サラは一人座っていた。

空は夕焼け色に染まり、海もまた、その光を映して赤く輝いていた。
彼女の目は水平線の向こうに固定されていたが、心は遥か深海へと向かっていた。

夜が来ると、サラは海に潜るのが好きだった。
特に今夜のように月が明るく照らす夜は、海の底がまるで別世界のように美しく感じられるからだ。

ヨットから海へと飛び込むと、冷たい水がサラの全身を包み込んだ。
彼女は息を整えながら、ゆっくりと深く潜っていった。
光が届かない暗闇の中で、彼女は懐中電灯をつけず、ただ水の感触だけを頼りに進んだ。

やがて、彼女の目に小さな光が映り始めた。
それは深海に漂う微細なプランクトンだった。
サラはこれらの光に囲まれると、まるで星々の間を泳いでいるような感覚に包まれた。
彼女はこの瞬間が好きだった。
現実とは少し違う、幻想的な感覚に浸れるからだ。

サラが手を伸ばすと、プランクトンたちが触れるとともに光を放ち、彼女の指先に輝きを残した。
まるで魔法のような光景に、サラは微笑んだ。
彼女はしばらくそのまま漂い、光を楽しんでいた。

しかし、何かがサラの視界を横切った。
彼女は目を凝らして、その影を追った。
それは魚だった。
だが、普通の魚ではなかった。
魚の体は青白く光り、まるで海中を漂う幽霊のようだった。
サラは驚きと好奇心を抑えきれず、その魚を追いかけた。

魚はまるでサラを誘うように、ゆっくりと泳いでいた。
彼女はその光に導かれ、さらに深く、暗闇の中へと進んでいった。
何か特別なものが待っている、そう感じたサラは、恐怖心を忘れて魚を追い続けた。

やがて、魚は突然消えた。
サラは周りを見回したが、どこにもその姿はなかった。
しかし、彼女の心には不思議な感覚が残っていた。
それは、彼女が今まで見たことのない何か大きな秘密を垣間見たような感覚だった。

サラは息を整え、ゆっくりと浮上し始めた。
光る魚の残像が、彼女の心の中で淡く輝き続けていた。


光る魚の秘密

深海に住む魚の中には、発光するプランクトンや特殊な食物を摂取することで、体が光る種類がいるらしいです。
これらの光は、仲間とのコミュニケーションや捕食者から身を守るために利用されているとも言われているんだとか。
海の中で光を放つ彼らは、まるで星のように輝き、神秘的な深海の世界を彩っているのでしょう。

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