リサは、その夜も夢の中で見知らぬ場所へと導かれていた。
ふと目を開けると、目の前には小さな扉がぽつんと浮かんでいる。
手を伸ばして扉を押し開けると、そこにはどこまでも広がるお菓子の森が待っていた。
クリームの積もった丘、砂糖でできた木々、キャラメルで舗装された小道が続き、ムースの川がゆったりと流れている。
現実ではすっかり満腹だったはずのリサだが、この甘い景色を前にすると、なぜか食べたくてたまらなくなった。
ふわふわとしたチョコレートの小道を歩き始めたとき、足元から優しい声が響いた。
「ようこそ、この甘い空間へ」
振り返ると、小さな住人が立っていた。
トフィー色の目をした、クリームのようにふんわりした体の不思議な生き物が、穏やかな笑顔で見上げている。
「君がまだ味わいたいと思っている甘いものを、ここで受け止めるのが僕の役目さ。だから、心配せずに好きなだけ楽しんで」
そう言いながら、住人はリサの手のひらに小さなフルーツタルトをそっとのせた。
リサは、そのタルトをひと口食べると、全身に優しい甘さが広がり、体のどこか深い部分が満たされていくのを感じた。
彼女はただその瞬間の甘美な時間に身を委ね、夢中で味わった。
この不思議な森には、甘いものを受け入れる場所がいつも開かれているようだった。
甘いものは特別な空間を作る
満腹でも甘いものが食べられるのは、脳が甘さに特別な「空き」を感じさせるかららしいです。
リサも、夢の中でその場所を満たしながら甘美なひとときを味わっていたのかもしれませんね。

