録音された声

自由帳

アイは自分の声が嫌いだった。

特に録音された声を聞くと、まるで自分のものじゃないみたいに感じる。
日常生活では普通に聞いている声が、機械に録音されると途端に違和感に変わるのだ。
どうしてこんなに変わるのか、アイにはいつも不思議だった。

友人のカナに誘われて、ポッドキャストを始めたのはそんな時だった。
カナは元気でおしゃべり好き、収録中もリラックスした様子で楽しんでいる。
しかし、アイは内心、自分の声を聞くのが怖かった。
彼女は収録が終わるたび、自分の声を聞き返すことが苦痛だった。

「ねぇ、これが本当に私の声なの?」

アイは収録後、再生された自分の声に眉をひそめた。

「もちろん、いい感じだよ!」

カナは笑顔で言った。
だが、アイにはその声がまるで自分ではない誰かのようにしか聞こえなかった。
自分の耳に届く声と、録音された声がどうしてこんなに違うのか。

その夜、アイはベッドで考え続けていた。
自分の声に抱くこの違和感を、どうにか理解できないものか。
彼女はそれを避けようとも思ったが、逃げてばかりでは成長できない気もしていた。

次の日、アイは再びポッドキャストの準備を始めた。
自分の声がどう聞こえようと、それは変えられない現実だ。
けれど、それでも話し続けることには意味があるのかもしれない。
アイは一歩前に踏み出す決意を固めた。


録音された声について

自分の声を録音で聞くと違和感があること、ありませんか?
どうやら、普段聞いている自分の声は、骨を通じて内部から聞こえるため、実際の音とは異なって感じるらしいです。
他人が聞いている声と、私たちが聞いている声が違うなんて、ちょっと不思議ですよね。

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