深夜のオフィスで、サトシはひたすら書類と睨めっこしていた。
目の前には山積みの未処理の書類、そして机の上のランプが小さく光を放っている。
時計の針は深夜2時を指していたが、彼はそれをただぼんやりと眺めるだけだった。
疲れ果てた頭で、彼は文字が踊り出すように感じていた。
そのときだ。
どこからともなく、「くすくす…」と微かな笑い声が聞こえた。
サトシははっと顔を上げたが、誰もいない。
ただの空耳だろうと思い、再び書類に集中しようとしたが、またもや「くすくす…」と耳元で聞こえてくる。
まるで誰かがそばで笑っているかのようだった。
不気味で恐ろしいはずのその笑い声が、次第に滑稽に感じられてくる。
サトシは眉をひそめ、どうしてもその笑い声が気になってしょうがない。
そして気がつけば、彼自身も微かに笑い始めていた。
理由はわからない。
ただ、止まらない。
机の上の書類がまるで踊りだしたかのように見え、目の前にあるランプの光が笑いの影を作り出しているかのように感じる。
そうしてサトシは、理屈も理由もなく、大笑いをしていた。
深夜のオフィスに響く彼の笑い声が、空間に広がり、静かな夜をひっそりと騒がせる。疲労と笑いが混じり合い、笑いはどんどん止まらなくなっていった。
気づくと、サトシは深く息をつき、静かなオフィスに一人、やけに晴れやかな気分で立ち尽くしていた。
笑いが静かに消え去った後の余韻が、どこか心地よかった。
疲れと笑いの不思議な関係
極度の疲れがたまると、理由もなく笑いがこみ上げてくることがあるらしいです。
脳が緊張を緩和するための反応なのだとか。
サトシもまた、そんな不思議な一瞬を味わっていたのかもしれません。

